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パキスタンみどころガイド

カラコルム・ハイウェイ

Karakoram Highway

"カラコルム"は突厥語で「黒い礫」という意味です。カラコルム山脈はその名の通り、瓦礫に覆われた黒い氷河や山肌が目立ちます。この山脈を貫くカラコルム・ハイウェイは、7,000メートル峰の山々をバックに、すぐ近くまで迫る氷河を避けるように河沿いに建設された、パキスタンと中国を結ぶ道路です。 「世界の屋根」と言われるパミール高原を横切る険路でありながら、古くから主要交通路として法顕や玄奘をはじめ多くの求法僧や隊商が通りました。このカラコルム・ハイウェイを自動車通行可能にした工事は、中国・パキスタン両国の国家事業として20年がかりで行われ、1978年に完工しました。 終点は中国・新疆ウイグル自治区のカシュガルで全長1300キロのアドベンチャー・ロードです。

ハザラ地域/ Hazara

カラコルム・ハイウェイの1日目、首都イスラマバードを出発しアボッタバードを中心としたハザラ地域をジェラム川沿いにインダス川と合流するターコットに向けて走ります。「ハザラ」はペルシャ語の「千」を意味し、地元の伝説ではチンギス・ハン、ティムールが何千ものモンゴル、トルコ系民族をこの地に残したことに由来すると言われています。 アボッタバードを過ぎると緩やかな丘陵が広がり始め、田園風景も見られます。

バタグラム近郊に広がる段々畑
カラコルムハイウェイの記念碑

コヒスタン地域/ Kohistan

ベシャムからチラス付近にかけて、インダス川は狭い渓谷を流れ、カラコルム・ハイウェイはその断崖の斜面を削って作られています。この地域はユーラシアプレートとインドプレートがぶつかり合うため、がけ崩れも多い地域のひとつです。 2005年10月のパキスタン北部大地震で大きな被害を受けた地域でもあります。

谷深く流れるインダス川
ドベール村

シャティアールの岩絵/ Rock Art

コヒスタン地域を過ぎ、カラコルム・ハイウェイをインダス川沿いに北上すると、古代シルクロードを旅した商人や巡礼者たちが渡可する際に刻んでいた岩絵が残っている地域があります。その代表がチラスとシャティアールです。シャティアールには数は多くありませんが、ストゥーパと仏陀のモチーフが美しく、はっきりと残っています。

シャティアールの岩絵
シャティアールの岩絵

チラスの岩絵/ Chilas Rock Art

チラスはカラコルム・ハイウェイの中でも乾燥が酷く気温が高いことで知られる山岳砂漠地帯にあります。この付近ではインダス川の川幅も広く浅くなり、インダス川を渡る場所として利用されました。そのため、古来から河沿いの岩に絵が描かれるようになり、特に仏教僧によるストゥーパ(仏塔)などのモチーフのものが多く残されています。

チラスの岩絵
チラスの岩絵

三大山脈ジャンクション/ Junction

インダス川とギルギット川の合流地点に「三大山脈ジャンクション」の展望台があります。 この2つの川は地質学的な境界を成し、南のナンガパルバットを有する ヒマラヤ山脈、インダス川とギルギット川の間に位置するカラコルム山脈、その西奥に位置するヒンドゥークシュ山脈の合流地点にあたります。

展望台から望む合流地点
三大山脈合流地点の碑

ナンガパルバット/ Nanga Parbat

世界のトレッカーを魅了する世界第9位の高峰ナンガ・パルバット(8,126m)。 ウルドゥー語で「裸の山」という意味を持つこの威容は、チラス周辺やタリチなどカラコルム・ハイウェイ上からも展望できますが、ライコット橋からアストゥール方面へ向かい、トレッキングでフェアリーメドウへ行くと圧倒的な迫力で眼前に望むことができます。

カラコルム・ハイウェイから見えるナンガパルバット
カラコルム・ハイウェイを行くトラックとナンガバルバット

ギルギット/ Gilgit

標高1,500m、ギルギット渓谷の東端に位置するギルギット・バルティスタン州の中心地。古くから交通の要衝として栄え、植民地時代はイギリスの駐屯地となりました。パキスタン独立後カシミール紛争発端の地となったこともありましたが、1978年のカラコルム・ハイウェイ完成後、町は急速に発展。空港もあり、イスラマバードからのフライトが1日2便運航しています。ギルギットの中心より西へ6キロの場所には「カルガー磨崖仏」があります。7世紀の仏陀彫刻は3mの高さがあり、まるでギルギットの町を見下ろし守っているかのようです。

カルガー磨崖仏
ギルギットのバザール
ギルギット川に架かる橋

ラカポシ / Rakaposhi

ギルギットを出てフンザ川沿いにダニヨール、ニルトの村を過ぎるとやがてラカポシ7,788mが姿を現します。氷河が流れ落ちる付近にはレストランもあり、天気が良ければカラコルム・ハイウェイ沿いにフンザまでラカポシの雄大な景色を見ることができます。 フンザからさらに足を伸ばしてドゥイカルの丘まで行くと、朝・夕陽に浮かび上がるラカポシも見ることができます。 ラカポシは見る箇所・角度によって全く山の形が違う山です。
>>詳しいクンジェラブ峠の案内はこちらへ

カラコルム・ハイウェイから見るラカポシ全容

フンザ/ Hunza

「桃源郷」と謳われ、「長寿の里」として知られるフンザ。フンザは1974年まで藩王国として存在し、その藩主の居城バルチット・フォートはフンザの象徴です。
>>詳しいフンザの案内はこちらへ

フンザの中心、カリマバード
杏の花咲く、春のフンザ

ゴジャール(上部フンザ) / Gojal (Upper Hunza)

「上部フンザ」とも呼ばれるゴジャール地区は、シシュカット橋、グルミット村付近からクンジュラブ峠にかけての付近を指します。18世紀末頃までは、この辺りはフンザの人々の夏の放牧地でしたが、後にワハーン回廊のワヒ族が移り住むようになりました。
ゴジャール地区では高峰連なる荒涼としたカラコルムの山々の壮大な景色が広がります。 
※2010年1月にカラコルム・ハイウェイの一部が湖に水没したため、シシュカット村へ訪れる際はボートを使用します。
>>詳しいゴジャール地区の案内はこちらへ

バツーラ橋付近の景色
グルミット村の人々

クンジュラブ峠/ Khunjerab Pass

スストにて出国手続き(日帰りの場合は登録手続き)をすると、中国・パキスタンの緩衝地帯に入ります。パミール高原を走り標高4,693mのクンジュラブ峠へ。峠から中国のタシクルガンまで128キロです。
>>詳しいクンジュラブ峠の案内はこちらへ

パキスタン側のクンジュラーブ峠記念碑
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