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チャドみどころガイド

エネディ山地

Ennedi

「タッシリ」とは風と雨により浸食された堆積岩(砂岩)の台地のことをさすアラビア語です。サハラ砂漠にある大きなタッシリにはタッシリ・ナジェール(アルジェリア)、アカクス(アルジェリア)、アルホッガー(アルジェリア)がありますが、このエネディ山地も巨大な「タッシリ」。ちょうどサハラ砂漠の中央に位置する堆積岩(砂岩)の岩山で、全ての面を砂漠の砂により侵食されエネディ独得の渓谷、ワディ、ゲルタを作り出しています。その砂岩の岩山は人々、そして動植物のシェルター的な役割もなしてきました。その砂岩の壁には古代の人々により岩絵が描かれ、浸食によって作り出されたゲルタには、ナイル・クロコダイルの生き残り「デザート・クロコダイル」と呼ばれるワニが生息しています。

エネディ山地の奇岩群/ Rock in Ennedi

エネディには風と雨により浸食された奇岩群があります。広い山地の中には様々な姿を見せる奇岩が点在しています。

エネディ山地の景色
グギの夜
砂岩の浸食
バシケレ付近の岩山
ラビュリンス(迷宮、迷路)と呼ばれるエリア

アルシェイのゲルタ/ Archei Guelta

「ゲルタ」とはアラビア語で「砂漠にある水のたまっているところ」。アルシェイのゲルタのみどころはいくつかありますが、ハイライトはたくさんラクダがゲルタに集まっている様子と、「サハラ最後のワニ」、デザート・クロコダイルです。アルシェイのゲルタのビューポイントまで歩けば、その2つを一度に楽しむことができます。ラクダの数はその日によって違いますし、ワニは必ずしも見れるとは限りません。

ビューポイントよりのぞむアルシェイのゲルタ
ラクダが多い日のゲルタ
水に入るラクダ
ゲルタ内部
アルシェイのゲルタへ向かう遊牧民と家畜

アルシェイのデザート・クロコダイル/ Desert Crocodile in Archei

エネディ山地のゲルタには「サハラ最後のワニ」と呼ばれるワニが暮らしています。調査を開始したとき9匹いたワニは、1匹は夏の増水のときにゲルタから流れ出て死んでしまい、もう1匹は行方不明になり現在7匹が暮らしているといいます。 1万年前まで続いた「緑のサハラの時代」にナイル・クロコダイルが西アフリカ全域に広がりました。その後の気候の変化で徐々に姿を消し、モーリタニアのタガント・ヒルのものが1996年に絶滅した後、「サハラに生き残ったワニ」としてはチャドのエネディ山地だけになりました(モーリタニアの"サヘル"にも残っていますが、"サハラ"としてはエネディが最後です)。 限られた食べ物、遺伝の問題などから体が矮小化し、ナイル・ワニは本来5mほどまで成長するのに対し、サハラのものは1.5~2mしかありません。 トゥブ族の人々はワニを神聖視し、ゲルタからこのワニがいなくなると水が枯れると信じ、大切にしています。ワニが人やラクダを襲うことも、人がワニを襲うこともないそうです。

ひなたぼっこするデザート・クロコダイル
水の中のデザート・クロコダイル

アロバのアーチ/ Aroba Arch

高さ100m、砂岩のアーチとしては世界最大とも呼ばれるものです。

アロバのアーチ
アロバのアーチ
ビデヤッド氏族が暮らす

エネディ山地の岩絵/ Rock Painting in Ennedi

一般にサハラの壁画は古いものほど美しく、時代が新しいものは稚拙なものが多いように言われますが、チャドにおいては新しい時代のもの、馬の時代、ラクダの時代の壁画が美しく生き生きと表現されています。色素の材料はオークル(黄土)、岩石、卵、乳を使い、それをアカシアの樹液を用いて保護しています。

テルケイ 大きな牛の洞窟
マンダゲリ 乳が象徴化されて白く描かれる
テルケイ 騎馬兵
マンダゲリ ラクダに乗った人々

ハバイケ/ Habaike

ニャラと呼ばれる小さな砂岩が林立している奇観が広がる場所。その中でも丘状になった場所には紀元前1500年ごろと推定される人々の住居跡(村の跡)、製鉄所のあとが残されています。岩を利用した住居に暮らす人々。トゥブとは「石の人」を意味する言葉でもあり、紀元前5世紀のヘロドトスの文書にこのあたりに暮らすトゥブ族と思われる人々の記述もあるそうです。

ニャラの林立するハバイケ
ハバイケ 古代の住居跡
古い鉄くず 製鉄のあと

ファダ/ Fada

エネディ山地の西にある町で、チャドの大統領イドリス・デビの出身地。空港もあり町の中心にあるフランス植民地時代の要塞が、現在は軍によって利用されています。裏通りに入るとスーダン風建築の住居が残されています。

ファダの市場

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